データセンター向けクイック・コネクトソリューション
データセンター業界は急速なスピードで発展しています。クラウド、AI、IoT、Edgeアプリケーションの需要増加により、早い開発ペースで冷却能力向上が求められています。データセンター用途で必要な冷却温度を維持するため、より高度で強力な熱管理システムが必要とされています。そこでクイック・カップリングが重要な役割を果たします。
セインのカップリングソリューションは、このようにデータセンターにおける高性能な液冷システムを可能にします:
- セインはオープン・コンピュート・プロジェクト(OCP)に貢献しています。
- データセンター冷却水循環装置(CDU)用のねじ込み接続機構付きノン・ドリップ大流量クイック・カップリング。
- 直接液冷 (DLC) アプリケーション用のブラインドメイト機能付き / 無しのコンパクトなクイック・コネクトカップリングソリューション。
- 液浸冷却タンクの効率的な着脱を可能にする、低圧力損失のフラットフェイス・ノンドリップ・クイックカップリング。
セインはOCPイニシアチブの一員
セインは、データセンター業界をけん引する企業、マニホールドメーカー、シャーシメーカーとともに、互換性のあるクイックコネクト・ソリューションを設計・開発し、OCPコミュニティに貢献しています。
セインは、熱管理用クイック・カップリング技術において長い経験を有しており、製品開発においてもその専門知識を活かしています。当社は、OCP内で開発された互換性のある多様なカップリング・ソリューションを提供するだけでなく、特定の要求やニーズに合わせたカスタマイズ・ソリューションも提供しています。
「クイック・カップリングにおける長年の経験と知識により、我々が参加することで技術開発を前進させることができると確信しています。」
- Emil Pettersson, CEJN AB 設計エンジニア
CDUの冷却温度を一定に保つ大流量クイック・カップリング
冷却水循環装置 (CDU) は液冷システムの中核であり、要求される温度と流量を維持しながら、データサーバーラック全体にクーラントを均等に分配する役割を担っています。
クイック・カップリングは、CDUの冷却水インレット、アウトレットを通してクーラントを効率的かつ安全に移送するため、CDUシステムには不可欠です。システム稼働中に冷却ラインの着脱が頻繁に必要となるため、プッシュコネクトタイプと比較して、使い勝手の良いスクリューコネクト(ねじ込み)タイプのカップリングが好まれます。セインでは、データセンターのCDU用途に合わせ特別設計されたカップリングソリューションを提供しており、大流量、低圧力損失による効率の向上、被圧下での着脱が可能といった特長があります。
高品質クイック・カップリングで信頼性の高いDLCプロセスを実現
データセンターにおける直接液冷 (DLC) プロセスをスムーズ、安全、効率的に行うには、クイック・コネクトカップリングが重要な役割を果たします。クイック・コネクトカップリングは、マニホールド、コールドプレート、CDU (冷却水循環装置) などのIT機器と液冷ループを接続する重要な役割を担います。
データセンターのDLCインフラのニーズと要件に応じて、手動接続と、芯振れ許容量のあるブラインドメイト接続の2種類のカップリングソリューションを使用することができます。どちらもホットスワップ対応で、CDUをシャットダウンせずに着脱が可能です。セインでは、その両方を提供しています。
手動接続型クイック・カップリング
セイン OCP UQDはラッチ式の手動接続、片手操作とも呼ばれるクイックコネクターで、操作中に液だれすることなく接続・分離できる、いわゆるホットスワップ機能を備えたカップリングです。プッシュロック式ホース接続を備えたこのソリューションは、クランプやフェルールによるカシメを必要とせず、迅速かつ確実な組付けを可能にします。コンパクトな設計で、データセンターのマニホールドに最適です。
ブラインドメイト機能付きクイック・カップリング
セインは、OCPイニシアチブの中で開発された2種類のブラインドメイト クイック・カップリング、OCP UQDB及びOCP BMQCを提供しています。OCP UQDBとOCP BMQCは、ブラインドメイト機能を備え芯ずれが生じても着脱が可能なため、ラックから出し入れするデータセンターシャーシの柔軟性を高める理想的なソリューションです。
OCP UQDBはラジアル方向の偏心許容値±1mm、OCP BMQCはラジアル方向の偏心許容値±5mm、偏角許容値±2.7°です。
液浸冷却プロセスを効率化するクイック・コネクトカップリング
液浸冷却は、単相または二相の液浸冷却により、非導電性または誘電性の液体タンクにITシステムを浸漬する、効率的で持続可能な方法です。タンク内では、液体×液体の熱交換器が誘電性液体を冷却し、サーバーや発熱するIT機器と直接相互作用します。クイック・カップリングはタンクと冷却水設備を接続します。多くの場合、非常に限られたスペースで使用されるため、最高の性能と最低の圧力損失を維持しながら、外寸が小さくコンパクトなクイックコネクターが必要となります。セインの ウルトラフロー クイックカップリングはこの要件を満たす、軽量でコンパクトな設計、低圧流体向けの液ダレがないフラットフェイスソリューションで、システムの効率的な動作を保証します。
このプロセスは空冷よりも消費電力が大幅に少なく、最も環境にやさしい放熱ソリューションの一つとなっています。もうひとつの冷却技術は、液浸冷却とDLCのハイブリッドソリューションです。このソリューションでは、DLCを使用してプロセッサの最も熱にさらされるコンポーネント(GPU、CDU、TPU)を冷却します。