偉大なロッキングボール ― 超高圧油圧製品におけるセインの取り組み

偉大なロッキングボール ― 超高圧油圧製品におけるセインの取り組み

超高圧製品の取り扱いおよび開発は、計算や多様なテスト方法、40年の知識に裏付けされた哲学に基づく細心の注意を要する過程であり、覚悟が必要とされます。 カップリングの中心には、それぞれが約300 kgの荷重に耐える、小さなスチール製ボールが組み込まれています。 一つのカップリングに2台の車(3,000kg)が吊り下げられているのを想像すれば、我々がどれほどの力を取り扱っているかがお分かりいただけるでしょう。

300MPaを表す吊り車のイメージは、スウェーデンSkövdeのセイン ABの超高圧油圧部門チームリーダーJörgen Ekströmによって発表されました。 「セインは超高圧油圧分野をリードする企業であり、現在はさらに強力なアプリケーション向けに400MPaの製品を開発中です」と彼は説明します。

独自の知識
セインは、超高圧油圧製品の分野で40年の実績を誇る企業です。ツールの小型化、軽量化に伴い、より高い圧力が要求される傾向にあります。 「高圧化は非常に難しい課題ですが、当社は何年にもわたって材料を最大限に活用する方法を追求してきました。 複雑な硬化プロセス、適切な計算プログラムを理解しており、必要なテストが行える先進的なラボもあります」(Jörgen氏)。 このような高圧の取り扱いに対する適切な基準はほとんどないため、企業が責任を負うよう求められています。 「それゆえに私たちはこれを非常に真剣に受け止めているのです」(Jörgen氏)。

最高のものだけで十分 
セインでは常に価格よりも品質を優先するため、下請け業者から最高品質のものしか受領しません。 「一例ですが、品質検査でスチールボールの品質が不十分だったので、カップリング一式を再構成させました」(Jörgen氏)。 安いものを提供すれば、結果的に誰もが高い代償を払わされることになります。セインのお客様は、最高かつ安全なものを求めています。 「海外の下請け業者はそういうものとして、高い安全性を要求することで、製品の信頼性を守らなければなりません」(Jörgen氏)。

社内の安全意識 
当社内では、世界中の高圧センターで100%機能テストと全てのホースアセンブリーの圧力テストを行っています。カップリングおよびニップルの組立ラインでは多数の機能テストがあり、製品は新しいロボットセルで漏れのテストとレーザーマーキングが行われています。 「その後、サイクルインパルステストとバーストテスト、ならびに接続と流量テストが行われるラボがあります」(Jörgen氏)。 スチールボールは、5種類の検定に基づく特別な品質検査を必要とする部品の一つです。 セインのラボは他に類を見ません。すべての硬化方法と仕上げが徹底的に評価され、6価クロムの使用は禁止されています。 セインには、問題や顧客からのクレームを扱う部署もあります。 「所定の方法と毎日行われる品質管理委員会で話し合うといった、体系的な方法でこれらの問題を処理しています」(Jörgen氏)。

顧客の安全意識を喚起 
CIS(セイン識別システム)の導入により、安全への意識的取り組みをさらに進めています。「お客様が安全に対する責任感をさらに高められるようにすることが私たちの目標です」(Jörgen氏)。 CISでテクノロジーがよりインテリジェントでコミュニケーションに基づいたものになり、一つ上の技術へと近づきました。 「当社のホースにはトレーサビリティとチップシステムが付属しているので、ホースキットがいつテストされ、どこで組み立てられ、いつ使用を中止すべきかを確認することができます」(Jörgen氏)。 安全はセインの中核となる価値観の1つであり、CISの導入はその方向性に沿った取り組みなのです。